メニューを閉じる

お役立ち情報

バックラッシのメリット・デメリット

  • 歯車・ギヤの基礎知識
  • 設計者のヒント
  • 工作機械
  • 自動車
  • ロボット
  • その他業界
  • 平歯車
  • ヘリカルギヤ
  • 騒音
  • 噛み合い
  • 損傷

バックラッシとは?

バックラッシとは、歯車同士が噛み合う箇所に意図的につくられた「隙間」や「遊び」のことを指します。別名、バックラッシュと呼ばれることもあります。

歯車同士に隙間がないと、回転運動の伝達が悪くなり、さらに摩擦によって歯車が摩耗してしまいます。一方でバックラッシが大きいと、歯車同士の噛み合いが悪くなり騒音や振動の原因となります。また、結果として機械の寿命を縮めてしまう恐れもあります。

こういったトラブルから機械を守るためにも、歯車のモジュールやピッチ円直径にあわせてバックラッシを設定することは非常に重要です。なお、バックラッシの最適な値はJIS規格に記載されているので、そちらも併せてご確認ください。

 

バックラッシの測定方法について

次にバックラッシの測定方法について解説いたします。
バックラッシの大きさ(バックラッシ値)を測定するためには、その前に使用する歯車の大きさがどれくらいなのかを知る必要があります。
また、その歯車の種類によってもバックラッシの計算方法やバックラッシの意味が変化しますので、注意が必要です。

バックラッシの規格を種類別にご紹介致します。

 

・平歯車・ヘリカルギヤ(はすば歯車)の場合

平歯車ヘリカルギヤの場合、バックラッシとは、互いにかみ合う一対の歯車のピッチ円上の隙間や遊びという意味となります。このバックラッシの大きさは、JISの精度等級に応じて求めることができます。
1対の歯車の正面モジュール(歯車の大きさ)とピッチ円直径から計算式により求めたそれぞれの最小値の和を最小バックラッシ、最大値の和を最大バックラッシとします。歯車の使用目的によっては、バックラッシの大きさに精度の等級と異なる等級に対する値を採用することができます。
下記に、バックラッシを測定するための計算方法を記載いたしますので詳しくはこちらをご確認ください!

・ベベルギヤ(かさ歯車)の場合

ベベルギヤの場合、バックラッシとは、互いにかみ合う一対の歯車の外端ピッチ円上のすきまや遊びという意味になります。このバックラッシの大きさは、JISの精度等級に応じて求めます。
1対の歯車の外端の正面モジュールと外端ピッチ円直径から計算式により求めたそれぞれの最小値の和を最小バックラッシ、最大値の和を最大バックラッシとします。
歯車の使用目的によっては、バックラッシの大きさに精度等級と異なる値を採用することができます。
下記に、バックラッシを測定するための計算方法を記載いたしますので詳しくはこちらをご確認ください!

 

バックラッシのメリット

バックラッシを設けることで以下のメリットがあります。

熱膨張の吸収

歯車が高温になると膨張します。バックラッシがあることで、膨張による過度な圧力を吸収し、歯車の破損を防ぎます。

潤滑の確保

バックラッシがあることで潤滑油が入り込みやすくなり、摩耗を減らし、歯車の寿命を延ばします。

製造誤差の吸収

歯車の製造過程で生じる微細な誤差を吸収することで、歯車のかみ合いがスムーズになります。

バックラッシのデメリット

バックラッシを設けなければ以下のデメリットがあります。

精度の低下

バックラッシが大きいと、歯車の位置決め精度が低下し、精密な動作が必要な機械では問題になります。

振動と騒音

バックラッシが大きいと、歯車のかみ合わせが不安定になり、振動や騒音が発生しやすくなります。

効率の低下

バックラッシにより動力が無駄に消費され、機械全体の効率が低下する可能性があります。

バックラッシは、歯車の動作において重要な要素ですが、その量は適切に管理されるべきです。特に高精度を要求される機械では、バックラッシを最小限に抑えるための工夫が求められます。一方で、適度なバックラッシがあることで、熱膨張や製造誤差、潤滑の確保といったメリットも享受できます。

バックラッシが適切でないとどうなるの?というコラムもありますので是非ご覧ください!

詳しくはこちら>>

 

バックラッシに関するよくある質問

特注ギヤ製造.comでは、「バックラッシ」に関するご相談も多くいただいております。ここでは、その一部をご紹介いたします。

ゼロールベベルギヤのバックラッシを低減させるための注意点を教えてください。

ゼロールに限った話ではありませんが、組立精度・使用用途・潤滑方法などの要素によってあまりバックラッシの低減を行う事が良くない事例も考えられます。今までの事例や知見に基づいてアドバイスさせて頂いております。

バックラッシを0にしたいのですが可能でしょうか?

バックラッシを0にすると、運転時に歯面が焼付く可能性があります。また、組立時の誤差、運転時の発熱による歯車箱の変形などもあるため難しいです。
製作は可能ですが、実運転での損傷します。

>>その他、バックラッシに関するよくある質問はこちら

 

歯車に関することは特注ギヤ製造.comにご相談ください!

特注ギヤ製造.comを運営する株式会社オージックは、特注ギヤ・精密ギヤのプロフェッショナルとして、あらゆる歯車の設計・製作を行ってまいりました。工作機械、航空、 宇宙、ロボット、印刷機械をはじめ、 あらゆる機械産業のお客様に御満足頂いております

また、当社は100%お客様の設計に基づいて加工するフルオーダーメイドギヤにも対応しております。不可能を可能にし、お客様のご要望に沿った最適なギヤを製作いたします。

さらに、お客様の過剰品質の設計を防止するために、あらゆる角度からVA/VE提案をいたします。ギヤの設計・製造には高度なノウハウ・技術が求められますが、70年間、お客様の課題を解決してきた当社だからこそ、最適な品質設計をお客様にご提案することができます。

歯車の設計・製造にお困りの方は、特注ギヤ製造.comまでお問い合わせください!

 


キーワード: バックラッシ, 歯車, 歯車設計, 歯車加工, 高精度歯車, 株式会社オージック, 歯車製造, 研削加工, 歯車の仕上げ, 機械部品

一覧に戻る

お気軽にご相談下さい

特注ギヤ製造.comは、70年以上培ったノウハウを活かして、
メーカー規格外の特殊形状ギヤ、高精度歯車の設計から製造まで一貫対応いたします。
特注歯車・ギヤにお悩み・お困りの方は、お気軽に当社にご相談ください。